2016年11月27日日曜日

物料の耐弾性

まずは旧軍の野戦築城教範に掲載されている小銃弾に対する各種物料の耐弾性を一覧してみよう。

明治34年(1901年)『野戦築城教範草案』の附録第2によれば、
75cm
尋常土 1m
重畳したる糾草、泥土 2m
踏固めたる雪 2m
木材 60cm〜1m
鋼板 2cm
磚壁 50cm



明治37年(1904年)『野戦築城教範』の附録第1によれば、
75cm
尋常土 1m20cm
重畳したる糾草、泥土 2m
踏固めたる雪 2m
木材 60cm(槻)〜1m20cm(松)
鋼鈑 1〜2cm
墻壁 50cm

明治41年(1908年)『野戦築城教範改正草案』の附録第2によれば、
75cm
土嚢に容れたる砂 40cm
尋常土 1m
重畳したる糾草、泥土 2m
踏固めたる雪 2m50cm
木材 60cm(槻)〜1m(松)
鋼板 1〜2cm
墻壁 50cm

大正11年(1922年)『野戦築城教範改正草案改正案ノ一部』の附表によれば、
50〜70cm
土嚢に入れたる砂 40cm
尋常土 1m
重畳したる糾草、泥土 2m
踏固めたる雪 1m50cm
木材 50cm(樫)〜1m(松)
煉瓦壁 30〜40cm
鋼鈑 1〜2cm

昭和2年『野戦築城教範』の附表第1では、
尋常土
(積土)
土嚢に
入れたる
重畳せる糾草
或いは
泥土
踏み固めたる雪 木材 煉瓦壁 鉄板
小銃弾
(m)
0.9
|
1.0
0.6
|
0.8
0.5 2.0 0.8
|
2.0
0.5(樫)
1.1(松)
0.3
|
0.4
0.01
|
0.02

昭和18年『野戦築城教範 第1部』の附表第2では、

































小銃弾
(m)
0.015 1.0 0.5 0.75 0.25 0.6 0.7 1.3 1.0 1.5 0.2 0.3
|
0.4
0.7

昭和2年の『野戦築城教範』の表のタイトルは「侵徹量」となっているが、昭和18年の『野戦築城教範』では「物料の対弾抗力」となり、備考欄には「本表ノ数値ハ実用防護量ノ標準ヲ示ス」という記述が追加されている。

野戦築城教範』の記述をみると、

胸墻の厚さは尋常土に在りては少くも之を一米とす
(昭和2年野戦築城教範 第19)

背墻の厚さは目的に依り差異あるも尋常土に在りては砲弾の弾子、破片に対して四〇糎、小銃弾に対して少くも一米とす
(同 第20)

掩体の胸墻或は積土の厚さは尋常土のとき通常一米以上を、銃用徹甲弾等を顧慮するときは少くも一米二〇を必要とす
(昭和18年野戦築城教範 第38)

といった具合で、本文の記述からすると表の数値は「最低限必要な厚さ」を示しているということになる。


ソ連軍の場合
まずはソビエトになる前、ロシア帝国の土工に関する教令の翻訳である『露国陸軍土工作業教令』(1907, pp.2-3)では、
物料 耐抗十分なる掩体の厚さ
1アルシン
草を交えたる土及び泥土 2アルシン
踏固めたる雪 2.5アルシン
木材 1アルシン 4ウェルショーク
乃至
1アルシン7ウェルショーク
石壁 3/4アルシン
1アルシン "аршин"=71.12cm
1ウェルショーク "вершок"=4.445cm

ソ軍常識』によれば、
物質 侵徹せざる最小限度(cm)
鋼板 1
鉄板 2
煉瓦壁 20
砂利、碎石 12
砂を入れたる土嚢 71
砂の築堤 87
粘土の築堤 100
芝を以て被覆せる築堤 100
黒土の築堤 142
泥炭 284
搗き固めたる雪 350
樫板 71
松板 87
(ソ軍常識, 1939, 附表第5)

千九百三十五年発布 狙撃兵団聯隊工兵教程』によれば、
土質及び材料 弾丸侵徹量(m) 胸墻の必要なる厚さ(m)
岩石地 0.4 0.7
凍結地 0.6 0.9
粘土地 1.2 1.6
植物土 0.9 1.2
0.6 0.9
沼沢土 1.5 2.1
脆き雪 2.5 3.5
木材 0.6 0.9
煉瓦積み 0.3 0.5
粘土壁 1.0 1.2
0.015 0.03
0.005 0.01
(千九百三十五年発布 狙撃兵団聯隊工兵教程, pp.304-305)

ネット上でなんとか発見することができた、Наставление по инженерному делу для пехоты РККА (Инж. П-43) (1943)の10ページの表を見てみると、
Грунт
(土)
Нанменьшая тощина
бауствера в сантиметрах
(胸墻の最小の厚さ《cm》)
насыпного
(大きさ?)
утрамбованного
(目が詰まっている場合)
Торфяной
泥炭
280 170
Растительный
(чернозем)
植物土(黒土)
120 50
Тлинистый
粘土質
160 40
Песчаный
砂質
90 30
Каменистый
(гравелисто-песчаный)
岩石質(砂利質-砂質)
40 20

"утрамбованного"(目が詰まっている場合)は、数値を見ると土嚢に入れたものと近いので、土嚢等に入れた場合の数値を示しているのかもしれない。
"Растительный"は、英語に翻訳すると"vegetables"や"vegetation"となる。
直訳気味に野菜や植物、植生と訳すのはどう考えてもおかしい。
数値から判断すれば「千九百三十五年発布 狙撃兵団聯隊工兵教程」中にあった「植物土」がこれに当たると思われる。
「植物土」は、明治期の旧軍の工兵関係の教本で見かけることもあるが「草が生えた土壌」といったニュアンスなのだろうか。扱いは「尋常土」と同じ。

Ospreyから出版されている "Soviet field fortifications 1941-45" (p.61, table 4)では、雪や氷の対弾性の数値が掲載されている。
物料 最小の厚さ cm/in
Loose snow
緩い雪
305cm/120in
Packed snow
押し固めた雪
200cm/80in
Frozen crust snow
凍った雪の表層(クラスト)
100-150cm/40-60in
Ice
70cm/28in
Frozen soil
凍結土
50cm/20in
Ice concrete
アイスコンクリート
30cm/11in

アイスコンクリートというのは本書によると、
The soviets developed a number of mixtures of ice concrete made of frozen water and sand or crushed rock.
(Gordo L Rottman, Soviet field fortifications 1941-45, 2007, p.61)

つまり、水と砂(や粉砕された石)を混ぜて凍らせた物のこと。


米軍の場合
米軍の "FM 5-15 Field Fortifications" (1944)ではこのような数値となっている。
土嚢

中身

100ヤードからの小火器とMG(7.92mm)の射撃 100ヤードからの対戦車ライフル(7.92mm)の射撃 200ヤードからの20mm ATの射撃 400ヤードからの37mm ATの射撃 400ヤードからの50mm ATの射撃 備考
brick rubble
レンガの破片
20 (inch) 30 30 60 70
clay (dry)
乾燥した粘土
40 60 濡れている場合は
数値を100%増加
Loam (dry)
乾燥したローム
30 50 60 濡れている場合は
数値を50%増加
Gravel, small stones
砂利、小石
20 30 30 60 70
Sand (dry)
乾燥した砂
20 30 30 60 70 濡れている場合は
数値を100%増加
Loose parapets
緩い胸墻
100ヤードからの
小火器とMG(7.92mm)
の射撃
100ヤードからの
対戦車ライフル(7.92mm)
の射撃
200ヤードからの
20mm AT
の射撃
備考
clay
粘土
31/2 (feet) 5 濡れている場合は数値を100%増加
Loam
ローム
3 4 5 濡れている場合は数値を50%増加
Sand
2 3 4 濡れている場合は数値を100%増加
(FM 5-15, 1944, p.223)

※1フィート=30.48cm、1インチ=2.54cm

表のタイトルは "Thickness required for protection against single shots by direct-fire weapons"
「直射兵器による単射からの防護に必要な厚さ」なので、表の数値 = 侵徹量ではないようだ。

少し遡って1940年の "FM 5-15" では、"Safe thickness of material to protect against the 174-grain, nonarmor-piercing bullet" というタイトルで、各種物料に対する小銃弾(174グレイン非徹甲弾)の最大侵徹量と防護に必要な厚さの表が掲載されている。(射撃距離約200ヤード)

物料 最大
侵徹量
(インチ)
提供すべき
厚さ
(インチ)
備考
Armor plate
装甲板
0.3 0.5
Concrete (plain)
コンクリート
(プレーン)
2.0 3.0
Brick masonry
レンガの石造り
5.0 7.0 弾丸が柔らかいモルタルに当たった時はより侵徹する
Gravel
砂利
8.0 10.0
Sand:
 Dry
 Moist

12.0
14.0

14.5
18.0
Solid oak
オークの無垢材
20.0 24.0
Earth loam
ローム
30.0 36
Greasy clay 60.0 72 大きくばらつく。これは最大値。
(FM 5-15, 1940, p.43 table III)

同一のものとして扱って良いと思われる "FM 5-15" (1944)の"Loam"と "FM 5-15" (1940)の"Earth loam"の数値を見てみると、"Loam"の方は3フィート(≒ 91cm)となっており、"Earth loam"の方は30インチ(≒ 76cm)、"Earth loam"の提供すべき厚さは36インチ(≒ 91cm)となっている。

"FM 5-15" (1944)の数値は、"FM 5-15" (1940)でいうところの「提供すべき厚さ」と同じ数値である。
つまり、米軍は「小銃弾を防ぐ場合、ロームなら大体91cm以上の厚さがあれば大丈夫」ということをマニュアル上で述べていることになる。

"Greasy clay" は直訳だと「油ぎった粘土」や「すべりやすい粘土」となる。
多分、泥濘状数歩手前というか、手にこびりつく位に水分を含んだ粘土なのではないかと予想。


更に遡ってWW1の頃の数値を見てみると、
モーゼル銃弾を止めるのに必要な物料の厚さ
Earth, dry
乾いた土
3' 6"-4'
Earth, wet
濡れた土
4' 6"-5' 6"
Shingle or broken bricks
小石または壊れたレンガ
8"
Sand, dry
乾いた砂
3'
Sand, wet
濡れた砂
4' 6"
Coal
石炭
8"
Sandbags headers, 2
Sandbags stretchers, 3
Fir wood
モミ材
60"
Oak
オーク
40"
Steel plate
鋼板
1/2"
Brickwork
レンガ積み
10-15"
Iron plate
鉄板
1"

「'」はフィート、「"」はインチ。

後年の教本と比べると全体的に数値が大きい。
土(Earth)を見てみるとその数値は3'6"(≒107cm)〜4'(≒122cm)であり、「土なら1m以上」としているヨーロッパ勢の基準と似たような数値となっている。

砂嚢 "Sandbags" は、砂嚢が複数形となっていおり、"headers"(小口積み)・"stretchers"(長手積み)という積み方が併記されているので、表中の数字は個数だと思われる。


ドイツ軍の場合
ドイツ軍は有名さの割に(ネット上で)原語の一次資料に当たるのが困難なのが残念。ひとまずここでは旧軍が翻訳した『獨逸諸兵作業教範(1936年)』を見てみよう。
距離400mの小銃弾の侵徹力
100cm
粘土
砂嚢内の砂 50cm
糾草 120cm
泥炭 250cm
砂利 20cm
粗砂礫 20cm
細砂礫 40cm
束藁 600cm
樫丸太 70cm
樫割木 110cm
130cm
鉄道枕木(松材) 75cm
煉瓦壁(MGの点射には耐えず) 38cm
鋼板 40kg/mm2 15mm
80 12.5mm
180 5mm

タイトルには「小銃弾の侵徹量」とあるが、附図の各種掩体の図には、胸墻の厚さは1m及びそれ以上といった指定がある。
これらの数値は「最低限必要な厚さ」を示しているのだろうか?

多少時期は古いが、明治頃のドイツ軍の射撃教範を見てみよう。
1905年改正 独逸歩兵射撃教範草案(兵事雑誌社, 1906, pp.23-24)によれば、
物料 距離 Gew98 (S弾) Gew88
乾燥
せる
松材
100m 60cm 80cm
400m 80cm 45cm
800m 10cm 5cm
約300m
以内
- 7mm貫通
約350m
以内
7mm貫通 -
9.5mm
最良の
鋼板
約50m - 瑣微なる凹痕
約100m 瑣微なる凹痕 -
砂・土 - 最大90cm
全(半)石の煉瓦壁は一回の射撃で貫通。数回同一箇所に命中する場合は、より一層厚い煉瓦壁を貫通可。
※()はGew88の場合

1909年改正 独逸歩兵射撃教範(偕行社, 1910, pp.23-24)では、
物料 距離 Gew98
乾燥
せる
松材
100m 60cm
400m 80cm
800m 35cm
1800m 10cm
約350m以内 7mm貫通
9.5mmの
最良の
鋼板
約100m 微小なる凹痕
砂・土 - 最大90cm弱
煉瓦壁は、レンガ長方1枚の厚さなら一発で貫通するが、それ以上の厚さの場合は、数回同一箇所に命中しなければ貫通しない。

こちらは射撃教範なので、弾丸がどれだけ侵徹するかを示している。
『1909年改正』の数値を見るに、『1905年改正』の乾燥松材に対する射距離800mの侵徹量は誤植のようだ。おそらく射距離1800mの間違いだろう。

時期が大分離れているのであまりよろしくは無いが、『諸兵作業教範』の数値と見比べて見ると、『諸兵作業教範』の数値はやはり「最低限必要な厚さ」を示したもののように思える。

※『大正三年戦役衛生史 第4編』(p.2)では、1898年式連発歩兵銃(Gew98)の乾燥松材に対する侵徹量は以下のような数値となっている。
距離 100m 200m 400m 600m 800m 1350m
侵徹量 131cm 104cm 85cm 58cm 36cm 24cm



旧軍の築城に関する若干の補足

土は1m(以上)
旧軍と海外の小銃弾の侵徹量や防護に必要な厚さの数値を見てみると、大体が例えば"普通の土"(ひと口に普通の土といっても様々あるが)であれば、1m程度(「最低でも」という前置きや1m「以上」という単語がつく場合が多いが)の厚さがあれば小銃弾を防げるとしている。

旧軍(尋常土):1m、米軍(Loam):91cm、ソ軍(植物土):120cm、ドイツ軍1m

ヨーロッパ勢は似たような数値が並ぶが、アメリカは少なめで、ソ連(ロシア帝国含む)は全体的に数値が大きく、防御に比重を置くソ連らしさが見える

旧軍はドイツ・フランスの影響が強いためか、野戦築城関連もヨーロッパ勢と似たような印象を受ける。
数値的にも明治の頃からほぼ一貫してヨーロッパ勢のものと同様に「尋常土は1m(以上)」となっている。

一時期、(明治37年の野戦築城教範)1m20cmという厚さが採用されていたが、明治41年の草案から再び1mに戻っている。

“尋常土 一米二〇を一米〇〇に改正せらる
是れ満州に於ける実戦の結果過去戦役に在りては概ね之を以て充分なりとしたればなり然れども土質に依り不充分と認むるときは之を増加すべきことは第三十九に詳なり”

昭和2年の野戦築城教範も同様に1mだが、昭和16年に野戦築城教範の草案のようなものとして陸軍歩兵学校から出された『歩兵築城』では、尋常土で胸墻を構築する場合は「少くも一米二〇を必要とす」とある。

が、その後改正された野戦築城教範(昭和18年)の数値は、やはり昭和2年教範と同様に「1m(以上)」である。
(銃用徹甲弾を顧慮する場合は少なくとも1m20cmの厚さが必要という記述はある)

積土は踏み固める?
旧軍の各野戦築城教範では尋常土の厚さは概ね1mとされているが、この尋常土は「踏み固めた」ものなのか「積み上げた」だけなのか分かりにくい。

昭和18年の野戦築城教範の対弾抗力表では「踏固積土」となっているため、間違いなく踏み固めた土であることがわかるが、それ以前の教範ではそういった記述は無い。
しかし、数値が一貫してほとんど同じということは、どの教範も尋常土(積土)は踏み固めたものを想定しているはず。

ということで、各教範の積土の作業に関する条項を見てみると、

“...胸墻は其の積土を行う間屡々之を踏み固むべし”
(明治34年 野戦築城教範草案 第41)

“...胸墻は其の積土を行う間屡々之を踏み固め若しくは打ち或いは搗き固めて堅実ならしむべし”
(明治37年 野戦築城教範 第41)

“...胸墻は等斉に積土し相応の高さに達する毎に之を踏固め或いは搗固めて之を堅実ならしむべし”
(明治41年 野戦築城教範改正草案 第48)

“...其の他の除土は先ず胸墻部に、次いで背墻部に成るべく等斉に積土すべし積土は相応の高さに達する毎に踏み固めて之を堅実ならしむべし”
(昭和2年 野戦築城教範 第36)

“...相応の高さ(尋常土に在りては十五乃至二十糎)に達する毎に均土し十分に踏固す”
(昭和18年 野戦築城教範 第1部 第42)

“積土を行うには適当の高さ毎に均土して踏固し或いは土搗して均等に搗固す”
(昭和18年 野戦築城教範 第1部 附録 第8)

教範の尋常土に対する侵徹量の数値も「踏み固めた尋常土(積土)」と解釈するのが自然だろう。

土の硬軟
旧軍では土をその硬軟でいくつかに区分していた。
土の硬軟といっても、含水率や組成を元に区分したわけではなく、作業の難易に重点を置いた区分という性質の方が強いようだ。

十字鍬を用いず単に円匙のみにて掘開し得る土質を一人土、即ち軟土と称し、十字鍬手一名、円匙手一名にて掘開し得る土質を二人の土、即ち硬土と称す。而して、十字鍬手二名円匙手一名を要するものは之を三人の土、即ち最硬土と称し、十字鍬手一名、円匙手二名を要するものは之を尋常土と称す......
(応用作業計画及実施, 厚生堂, 1908, p.352)

明治頃は時期によって尋常土が中等土や普通土と呼称されていたり、上掲のように区分が4つであったりすることもあるが、基本的に「硬土」・「尋常土」・「軟土」という3区分が一般的なようだ。

工兵基礎教練ノ参考(軍事学研究会, 1929, p.28)では、
軟土     作業手1名に付円匙1
尋常土 作業手1名に付円匙1及2名に付十字鍬1
硬土     作業手1名に付円匙1及十字鍬1

昭和に入って以降、この3区分以外の区分を見ることは基本的に無いので、土の区分はこの3区分で定着したようだ。

その後、昭和18年野戦築城教範で多少器具の配当が変化したが、3つの区分は相変わらずである。

軟土     円匙のみ
尋常土 円匙1に付十字ぐわ1
硬土     円匙1に付十字ぐわ2
(野戦築城教範 第1部, 1943, 附録其の1.第5)

ちなみに「軟土」を胸墻等で防護に使用する場合は2mの厚さが必要となる。(軍陣外科学教程, 1940, p.86)

※この3区分は旧軍に限った話ではなく、これまでに扱った海外の軍(ヨーロッパ勢)の教本中でも、土工作業に関して記述している箇所で同じ区分が見られる。

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