編成
歩兵第二連隊
戦車中隊
騎兵中隊
工兵中隊
輜重
砲兵は諸種の関係上、後送せらるる筈なるも、当時は附しあらず
参謀一、各部も小乍(なが)ら附す
戦車中隊
騎兵中隊
工兵中隊
輜重
砲兵は諸種の関係上、後送せらるる筈なるも、当時は附しあらず
参謀一、各部も小乍(なが)ら附す
5D司令部は太原北方原平鎮に在り、第5師団長の隷下に入らしめらる。大同迄は汽車輸送とし、大同より原平鎮迄は騎兵、戦車、大隊砲連隊砲の馬は徒歩行軍。其の他は自動車輸送に依り、途中敗残兵と戦闘しつつ、十月十八日より二十三日迄に原平附近に集結を了す。
第五師団は、当時迄に作戦七十五日、戦闘三十余回なり。行軍行程百有余粁にして、現役将校は殆ど戦死傷しあり。
第五師団将兵は、萱嶋支隊来たるの報に将兵の士気大いに揚がる。
戦況の概要
二十二日攻撃開始の筈なりしも、二十三日午前十時を期して攻撃前進を命ぜらる。午前十時とせるは、太陽の関係にて、其の時刻にあらざれば観測困難なるに依る。
萱嶋部隊は二十三日、栗原部隊の後方に至り、之を超越して攻撃。師団砲兵の主力を以って協力せしめらる。
夜に入り大隊砲、連隊砲は皆山地に担ぎ上げ第一線と同線に出す。甚だ困難せり。
此の夜一度、右翼方面に敵の逆襲を受けたるも大なる損害なし。
砲兵射撃を開始するや、新操典の方式に依り、各部隊は前進す。谷底に至り、敵の背射、側射を受く。
原位置に後退するの已むなきに至れり。
萱嶋部隊は二十三日、栗原部隊の後方に至り、之を超越して攻撃。師団砲兵の主力を以って協力せしめらる。
夜に入り大隊砲、連隊砲は皆山地に担ぎ上げ第一線と同線に出す。甚だ困難せり。
此の夜一度、右翼方面に敵の逆襲を受けたるも大なる損害なし。
砲兵射撃を開始するや、新操典の方式に依り、各部隊は前進す。谷底に至り、敵の背射、側射を受く。
原位置に後退するの已むなきに至れり。
手榴弾巣山攻撃概況
手榴弾巣山を一中隊にて攻撃せしに大損害を蒙り、准尉以下二十五名となる。
敵の手榴弾投擲は甚だ巧にして、我が部隊の投擲距離に前進するや洞窟より背投に依り集中す。其の数も亦夥(おびただ)し。
某小隊長500迄数えたるも、其の後は数うる能(あた)わざりしと。
次いで、工兵中隊を以って坑道に依る攻撃を実施す。
萱嶋支隊の工兵中隊は坑道中隊にあらざるも、小隊長に坑道を極めし者ありしを以って、教育しつつ坑道作業を実施し、有効距離と思意せる処(敵の土地を打つ音聞ゆ五米位ならんと)迄接近し、爆破せしも失敗に終わり、第二回目も亦有効距離に至らず。敵は破裂口より「ノソノソ」登り来れり。
次いで、将校斥候の偵察に依り交通壕の入り口を発見せしに依り、歩兵の破壊班を以って遂に之を奪取す。其の要領左の如し。
第一班 将校の指揮する十二名 正面
第二班 下士官の指揮する十二名 右側
第三班 将校の指揮する十三名 左側
午後六時半を期し、一斉に突入す。第一班全滅、第二班は最初に飛び込みし下士官の外(ほか)全員死傷す。第三班は四、五名のみ死傷者を出せり。
某小隊長500迄数えたるも、其の後は数うる能(あた)わざりしと。
次いで、工兵中隊を以って坑道に依る攻撃を実施す。
萱嶋支隊の工兵中隊は坑道中隊にあらざるも、小隊長に坑道を極めし者ありしを以って、教育しつつ坑道作業を実施し、有効距離と思意せる処(敵の土地を打つ音聞ゆ五米位ならんと)迄接近し、爆破せしも失敗に終わり、第二回目も亦有効距離に至らず。敵は破裂口より「ノソノソ」登り来れり。
次いで、将校斥候の偵察に依り交通壕の入り口を発見せしに依り、歩兵の破壊班を以って遂に之を奪取す。其の要領左の如し。
第一班 将校の指揮する十二名 正面
第二班 下士官の指揮する十二名 右側
第三班 将校の指揮する十三名 左側
午後六時半を期し、一斉に突入す。第一班全滅、第二班は最初に飛び込みし下士官の外(ほか)全員死傷す。第三班は四、五名のみ死傷者を出せり。
教訓
1、手榴弾戦に在りては、最初に飛び込める勇者は多くは生存するも、後(おく)るるものは敵に準備の時間を与うるを以って戦死傷者多し。
2、指揮官の位置に蝟集(いしゅう)するの風は尚矯(た)まらず。本戦闘に於いても損害を受けたり。
3、軍艦山附近に於いて、敵の夜襲を受く。敵は迫撃砲を以って射撃せり。最初、兵は恐怖心より射撃せしも沈静せば、敵の夜襲を軽視し、沈着して行動するに至れり。
4、敵の迫撃砲の爆音は甚大にして、精神的威力は大なるも、命中効力は比較的少なし。後方部隊にして岩陰に依れる者は却(かえ)って損害を蒙りたり。
5、大平山攻撃に於いて、谷底に至るや俄然側射、背射を受け、二◯◯名の死傷者を出せり。戦闘に於いて、後傷は武士の恥辱なりしとして教育せしも、此の際は後傷を受くるに至れり。
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